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ターシャ・テューダー  『輝きの季節』 [本]


  出版社 : メディアファクトリー    価 格 :  1,680円 

*** 喜びは創りだすもの・・・ ***

田舎暮らしの厳しさに耐えきれず・・・去った夫に代わって、ターシャは4人の子供を守るために、

花を育て、よく働き、家事をこなし、絵を描いて 

四季折々の楽しみをや喜びを 自分で創り出してきた女性です。

87歳になった今でも・・・・そのまま ずーっと自分の生活スタイルを変えていません。

写真集や絵本がたくさん出版されていますが、

私はやっぱりこの絵本 『輝きの季節』 が好きです。

厳しい自然と過酷な生活の中にあっても ターシャ・テューダーが子供と共に

〝喜びは創りだすものよ・・・〟 

この精神性を失わずに豊かに生きてきたことが 

とっても素敵で・・・ いいなぁ!!  と思います。


『祖国とは国語』 藤原正彦 [本]

藤原正彦はこの本の中で・・・
父の新田次郎 母の藤原てい 自分の三人の息子たちと妻  
そして山本夏彦とのユーモラスなやりとりを織り込みながら
国家の根幹は国語教育にかかっていることを説いています。

去年の秋ごろ読んだ「国家の品格」よりも、こちらの方がいいと思いました。
なぜ「祖国とは国語」なのかを引用してみると・・・

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『ユダヤ民族は二千年以上も流浪しながら、ヘブライ語を失わなかったから、
二十世紀になって再び建国できた。つまり祖国とは血でなく、国土でもない。
「祖国とは国語である」。
「祖国とは国語である」のは、国語の中に祖国を祖国たらしめる
文化、伝統、情緒などの大部分が包含されているからである。
血でも国土でもないとしたら、これ以外に祖国の最終的アイデンテイテイーと
なるものがない。』

『祖国の文化、伝統、情緒などは文学にもっともよく表れている。
国語を大事にする、ということを教育の中軸にすえなければならない』

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斎藤孝氏は解説で・・・
「ああ、この人に、文部大臣になってもらいたい」 と書いています。

私も心から・・・同感!! 


《東京駅》

今日は渋谷に用事があって出かけてきました。
少し早く済んだので・・・・東京駅近くの「丸善」へ寄り
のんびり気ままに本を選んでいたら・・・
あっという間に2時間経っていました....ヾ( ̄o ̄;)


『梅原猛の授業 仏教』 [本]

「 現代の教育でもっとも大切なのは....
           人間はどう生きたらよいかを教える道徳 」

そう考えている 老哲学者 梅原猛が
2001年4月から9月まで京都市の洛南高等学校附属中学校で
道徳の基礎となる宗教、特に....仏教について語ったことがこの本の基になっています。

12時間の授業内容は・・・・
【第一時限】  なぜ宗教が必要なのだろうか
【第二時限】  すべての文明には宗教がある
【第三時限】  釈迦の人生と思想を考える
【第四時限】  大乗仏教は山から町へ下りた
【第五時限】  生活に生きる仏教の道徳
【第六時限】  討論・人生に宗教は必要か
【第七時限】  日本は仏教国家になった-聖徳太子、行基、最澄
【第八時限】  空海が密教をもたらした
【第九時限】  鎌倉は新しい仏教の時代1 法然と親鸞
【第十時限】  鎌倉は新しい仏教の時代2 日蓮と禅
【第十一時限】 現代の仏教はどうなっているか
【第十二時限】 いまこそ仏教が求められる

中学生向けにわかりやすく...仏教の観点から
実際起きている世の中の様々なことを絡めながら解説していて
あっという間に読めました。

梅原猛って....なんだかね.....敬遠していたんですよ 今まで!
なぜかというと........
読んでも よくわからなかったからです....(o´д`o)

でも 自分が歳をとったせいか
なんだか スーッ ストン とわかったような気がしました。

あー それはそうですね......
中学生向けに話しをしているのだから......(๑→ܫ←๑)  

特に......
聖徳太子  行基  最澄  空海  龍樹  親鸞  法然のそれぞれが 
梅原猛によって生身の人間としていきいきと語られていて
面白いなぁ......と思いました。

それにしても....... 
この洛南高等学校附属中学校の生徒は素晴らしい時間を過ごしましたよね~!
羨ましいです ( ̄~ ̄)


『 センス オブ ワンダー 』  レイチェル・カーソン [本]

『 センス オブ ワンダー 』
Rachel L. Carson (原著), 上遠 恵子 (翻訳) 新潮 1,470円


   《福井県 経ヶ岳の朝日 》

訳者 上遠恵子は
〝センス・オブ・ワンダー〟を 〝不思議さ、美しさ、神秘さに目をみはる感性〟
と訳しています。

この本のメインテーマであると思われるところを 少し引用すると・・・

『私は、子どもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭を悩ませている親にとっても
「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。
子どもたちが出会う事実の一つ一つが、やがて知識や知恵を生み出す種子だとしたら、
情緒や感受性はこの種子をはぐくむ肥沃な土壌です。
幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです』 
(センス・オブ・ワンダーより) 

どの都会にも田舎にも 季節はやってきて・・・・
たくさんの色であふれる百花繚乱の春    きらきらした初夏の新緑   
葉っぱを濡らす雨   草の萌える夏  気持ち良い夏の夜明け  
ちょっと 寂しい秋の黄昏  晩秋の落ち葉を踏む音  きーんとした冬の朝の空気

四季のなかを風は通りすぎて 鳥は空を舞い  花は美しさを誇ります。

レイチェル・カーソンが・・・
「DDTのような化学物質を大量に撒き続けていると、
鳥や虫などが死に絶えて、やがて鳥のさえずりも聞こえない春がくるかもしれない・・・」と
化学物質による環境汚染について警笛を鳴らした 『Silent Spring-沈黙の春』 から
44年が経った現在も・・・状況はあまり変わっていませんね。

この本は 環境問題の専門書とはまた違った詩情あふれるやさしい文章で・・・・
近くにお子様がいる大人に・・・お勧めの本です。


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黒田三郎 詩集 『小さなユリと』 [本]


         《 苔 桃 》      

私は 谷川俊太郎と黒田三郎の詩が好きです。

今夜は 黒田三郎の詩『小さなユリと』をパラパラとめくって読みました。
この中で 特に 「夕方の三十分」が愛らしくて

いつも この詩で 微笑んでしまいます。

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『夕方の三十分』

コンロから御飯をおろす
卵を割ってかきまぜる
合間にウイスキーをひと口飲む
折り紙で赤い鶴を折る
ネギを切る
一畳に足りない台所につっ立ったままで
夕方の三十分
僕は腕のいいコックで
酒飲みで
オトーチャマ
小さなユリのご機嫌とりまでいっぺんにやらなきゃならん
半日他人の家で暮らしたので小さなユリはいっぺんにいろんなことを言う
「ホンヨンデェ オトーチャマ」「コノヒモホドイテェ オトーチャマ」
「ココハサミデキッテェ オトーチャマ」
卵焼きをかえそうと 一心不乱のところに
あわててユリが駈けこんでくる
「オッシッコデルノー オトーチャマ」
だんだん僕は不機嫌になってくる
化学調味料をひとさじ  フライパンをひとゆすり
ウイスキーをがぶりとひと口  だんだん小さなユリも不機嫌になってくる
「ハヤクココキッテヨォ オトー」「ハヤクー」
かんしゃくもちのおやじが怒鳴る 「自分でしなさい 自分でェ」
かんしゃくもちの娘がやりかえす 「ヨッパライ グズ ジジイ」
おやじが怒って娘のお尻をたたく 小さなユリが泣く 大きな声で泣く

それから やがて しずかで美しい時間が やってくる 
おやじは素直でやさしくなる
小さなユリも素直にやさしくなる
食卓に向かい合ってふたり座る     

                    詩集 『小さなユリと』 から

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この詩が書かれた当時
黒田三郎の奥さんは結核を患って 養生園で療養しており
「三年保育のユリを幼稚園に送ってから出勤、近所の小母さんが
帰りは幼稚園に迎えにゆき、夜になって、僕が受け取りに行く日々」
と詩集の自筆年譜にあります。

お父さんに対する絶対の信頼と...娘の愛らしさ
詩集全体に暗さはなく...ユーモア 温かさ 優しさがあふれているし
家事に慣れていない父親が準備した 夜の食卓の情景が目に浮かび
いつ読んでも...いいなぁ...と思います。

 


しばわんこの和のこころ [本]

「しばわんこの和のこころ」  シリーズ1・2・3  
「しばわんこの今日は佳き日」
絵と文  川浦良枝     白泉社  各 1,470円


今、毎晩・・・・眠る前に眺めている本4冊です。

日本の慣習や伝統をこの〝しばわんこちゃん〟がやさしく解説してくれて
絵本というより・・・[事典] の趣があり
どのページをめくっても・・・懐かしく・・・穏やかな気持ちになります。

 
田植え から 収穫    釜でのご飯の炊き方   鰹節の削り方

 
日本茶のお作法                     お座布団のすすめかた

 
着物の着方                        美しいお箸の持ち方

この他に
日本の季節行事  歌舞伎入門  和菓子の作り方  お御輿のかつぎ方
箒やはたきを使った掃除の仕方  美しい手紙の書き方・・・・などなど
日本人として身につけておくべき〝たしなみ〟を教えてくれます。

この歳になって
「あぁ・・・・そうだったの~!!」と気づかされたことがたくさんありました~(^-^)/

日本人は・・・・四季折々の中で
日々の暮らしを丁寧に・・・・丁寧に楽しんでいることがわかる本です。

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2月から抱えていた 大きな事業が終わってホッとしました(^0^)♪


残したい日本の美 201  [本]

田中 優子 監修    長崎出版   2,500円  

今日、会議があって都内へ行きました。
この本を 電車の中で読んでいたら.......
あっという間に新宿に着きました。

田中優子は、
「伝統とは意志である。その時代の人々が 『残したい』 と思ったものだけが残る。・・・・」
と書いています。

残したい・・・・・日本人の
・感性  ・神々の住まう霊域 ・建物 ・四季 ・料理 ・自然 ・道具 ・風物詩 などを
写真入りで説明していて
改めて 日本人は、自然に対する感性が豊かな民族なのだなぁ・・・・と
思わずにはいられませんでした。 

今日はうーんと 得した気分の一日になりました~ (^0^)♪


鳥の巣の本 [本]


鈴木まもる   岩崎書店  1,500円

私は「鳥」に関する本があると ついつい購入してしまいます
が・・・・・今まで・・・・
(時間とお金が無駄だったかも・・・・・) と思えた本も少なくありません。

この本はお気に入りです。
いつ開いても飽きるということがないのです。

ちょっとした「鳥の図鑑」よりずーっと素晴らしいと思います (* ̄ω ̄)


『家族のゆくえ』 吉本隆明 [本]

                  光文社  1,400円

かつて  『 共同幻想論 』  『 マス・イメージ論 』 などの著作を通して
たくさんの人々に影響を与えた思想家 吉本隆明。

今では 長女の漫画家 ハルノ宵子  次女の作家吉本ばなな の父で有名ですが
人間や国家について論じてきた老思想家が
《家族》について どんなことを語っているのかとても興味がありました.......。

彼は、家族を構成する  親子関係 夫婦関係 子育てのなかで
子どもにとって もっとも大切な家族のあり方は 母子関係の大切さだと説いています。
早期教育をするよりも何よりも 母親が慈しんで育てることが
本当の家族のあり方だ.....と。

もっと 難しく書いてあるのかと思っていました.......。
当たり前のことが普通に書かれていて......これが また とても新鮮です。

子供を慈しみ 礼節を伝え 品格を重んじる...........。

そういえば 私は 
自分の子どもたちに何にもしてやらなかった気がします。

だって私は 生きてきた人生の3分の1は
いつだって......... 忘れ物や失くし物を探しているような
ドタバタした生活を送ってきたのですからね!......(´□`)


『101本の万年筆』 [本]

すなみまさみち 監修   中島茂信 著   
阪急コミュニケーションズ  2,800円

この 『101本の万年筆』 の記事を 
中島茂信さんのブログ 『デブデブ食ッカー』 で読んだ時 
すぐに・・・・・買いたいなー!・・・・・と思いました。 
著者は air BE-PAL にも記事を書いています。

私は万年筆を使い始めて25年。
なにを書くにも万年筆派です。
ボールペンだと力が入りすぎて疲れてしまうからです。

最初は分不相応なことに モンブラン社製のものを使っていました。
今は SAILOR JAPAN PROFIT 21K ・・・・・
これを 使い始めてから 2本目になります。
以前 万年筆屋さんで あれこれ試しに書かせてもらって
自分の手に一番合っている・・・と思ったのが この万年筆でした。

それにしても・・・・ 
すなみまさみち さんのコレクションの内容はすごいです。
彼の万年筆の蒐集数は・・・・・なんと10,300本

それだけではありません・・・・
店頭販促物 広告カタログ 看板なども所有しているというのだから 驚きです。

この本の中で気になったのが2つ・・・・            
まず 「 012番 アウロラ 88 」
イタリアの万年筆はどれもお洒落・・・・
アウロラ88 は特に美しい・・・と思いました。

もうひとつは [ 034 万年筆博士 」 です。
鳥取の万年筆博士で いつか 私も作りたいと思います。
世界中で・・・・自分のためだけの たった一本の万年筆!

きっと高価なのでしょうね!
調べてみようっと (^0^)/