先入感 [Daily note]
毎日、私の家の近くを右翼の街宣車が通る。
黒い大きな車体には日本の国旗と
『愛国』の文字がデコレーションされており
演歌のような音楽を大音量で流しながら通過するのだ。
運転席はフィルムが貼ってあって よく見えない。
この車を運転している人はどんな方なんだろう....
長い間そう思っていた。
黒いサングラスをかけて戦闘服みたいなものを着ているんだろうか?
黒ずくめなんだろうか?
想像だけが膨らんでいたのだ。
今日 クロネコへ荷物を出しに行ったら
駐車場に例のあの車が停まっていたので
私は好奇心でいっぱいになった。
事務所に入ると
白いTシャツとジーンズ、黒ぶちメガネをかけた男性が
「忙しいのにごめんね。やってもらっちゃって...」
と受付の女性に言っているのが聞こえた。
そして、彼は手続きを終えて外に出ると
あの大音量と共に去って行った。
私と受付の女性は顔を見合わせて少し微笑んだ。
彼の口調はあまりにも穏やかでやさしく
あの音量と不釣り合いだったから。
先入感で
物事を捉えようとするのは
やっぱり良くない....と思った日でした
*横断歩道を渡っていた時
オナガの集団が私を追い越して飛んで行った。
2022-10-03 20:00